住宅会社に責任はないのに…
光熱費クレームにどう対応するのか
エネルギー価格の高騰によって光熱費が上昇し、一般家庭の家計が圧迫されていることをテレビや新聞が連日のように報じている。
そんな中、省エネ・低燃費をアピールしている高性能志句の住宅会社にも、「省エネ住宅なのに光熱費が高い」というクレームが入るようになっている。光熱費の上昇は電気・ガス・灯油が個上がりしているからで、住宅会社の責任ではない場合がほとんどだが、お客様にしてみれば「こんなはずは・・・」という想いは強い。この状況に住宅会社はどう対応すればいいのか。
エネルギー価格高騰が省エネ住宅直撃
止まらぬ値上げラッシュ
電気・ガス・灯油の価格高騰が止まらない。
電気温水器や電気蓄熱暖房機(未だに使っているの?という個人的な考えですが)などを使う電気生焚きのオール電化住宅では、この冬の電気代が10万円を超えたという声も聞こえてくる。
さらに各電力は、今年1月に家庭用規制料金を含む値上げも国に申請。
申請通り認可されれば、電気代は6月から約35%の値上げとなる。
電気だけではない。ガス、ガス料金の算定で原料費調整に用いる平均原料価格の上限を廃止、灯油価格も頭打ち感が見られるものの、高止まりの状態が続いている。
エネルギー情報センター運営サイト・新電カネットの統計データによると、昨年10月時点における東北の家庭向けエネルギー平均単価は、電気・ガス・灯油とも1年前よりも上昇。東北も同じだ。
【東北】2022年10月
電気(低圧電灯):28.49円/kWh(前年同月比+4.42円)
都市ガス:246.32円/㎥(前年同月比+44.97円)
灯油(配達):113.8円/ℓ(前年同月比+9.2円)
これらエネルギー価格高騰のうち、ウクライナ紛争はいまだ終息する気配はなく、円安についてもまだ先行きは不透明。当面エネルギー価格は下がらないと見ていいだろう。
そんな中、高断熱・高気密で省エネや{邸然費を強みとする住宅会社の一部で、ある異変が起こりつつある。「省エネ住宅なのに光熱費が高い」というクレームが出始めているのだ。
エネルギー消費量は変わらないのに、光熱費が増えているのは、電気やガス、灯油の価格が上がっているからで、断熱性が低下しているわけではない。1~2年前と比べてエネルギー消費量が変わっていないことを示すことができれば、“断熱性能がしっかりしているからこそ、逆に光熱費は抑えられている” とお客様に理解してもらうことができるのではないか。
暖房・給湯設備の運転最適化を
住まい方の工夫すると効果あり
それでは光熱費でクレームがあった時、住宅会社はお客様にどんなことをしてあげられるのか。
まずは熱源器の温水温度を上げすぎていないかなど、暖房・給潟設価が適切に使われているかを確認し、そのうえでさらに省エネになる使い方を考えたい。
例えば経済産業省発行のバンフレット『冬季の省エネ・節電メニュー』によると、エアコンは設定温度を22℃から20℃に下げると0.3%、目詰まりしたフィルターを清掃すると0.1%の節電効果があり、ガス給渇は45℃のお湯を流す時間を1分短縮すると1.5%の節ガス効果があるという。
時間帯や天候に応じ運転オン・オフ
また、高いいレベルの断熱性能を持つ住宅であれば、工夫次第でより光熱費を抑える効果が期待できる。
例えば昨年11月に完成・入居した新築住宅(UA値0.22W)のオーナーから、ガス料金単価の上昇を受けて暖房費を抑える方法はないかと相談を受けた。
それに対し、暖房熱源機・エコジョーズのタイマー機能を使い、「2時間稼働して1時間オフ」「就寝時にオフにして起床2時間前に稼働」「時間帯ごと設定温度をこまめに調節」などをアドバイス。
オーナーはエコジョーズを省エネ運転モードにし、晴れた日にはリビングの大きな窓のカーテンを開けて日射を取り入れ、11~17時の間は暖房をオフにしたほか、リビングの室温が23℃近くある日は深夜0時~朝4時も暖房を停止。
その結果、昨年12月のガス使用量は171㎥{ (30 日間)で、基本料金を含めガス代は約3万6千円に。ガス使用量は前年同月の238㎥ (35 日間)に対し17%削減となり、ガスの単価は1.8倍になったにもかかわらず料金のアップぱ約6千円にとどまった。
高い断熱性能によって暖房を切っている4~5時間もリビングの室温は1℃ほど低下しただけで、快適性が損なわれることもなかったという。
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